前立腺がんは、食の欧米化や高齢化の進展などから男性に急増しています
2020年には胃がんに次いで2番目になると予想されます
前立腺がん
前立腺は男性だけにある器官で、精液の一部を作っています。
女性は前立腺がんの心配ありません。
前立腺は,栗の実のような形をしていてぼうこうのほぼ真下にあります。
ぼうこうは、尿を一時的に溜める袋状の器官です。
前立腺は,精襄から分泌された精襄液を精巣で作られた精子と混合し精液を作り、射精における収縮や尿の排泄などを担う器官です。
症状
前立腺がんは、早期ではほとんど自覚症状はないと言われています。
このため、転移してから見つかる患者が多くいます。
転移すると闘病生活が長くなり大変になります。
がんが大きくなって尿道が圧迫されると尿が出にくい、尿の回数が多い、排尿後に残尿感がある、夜間の尿の回数が増えるなどの前立腺肥大症と同じ症状が出ます。
このような症状がある方は、検査が必要です。
原因
加齢と男性ホルモンに原因があると言われますが、まだ明確になっていません。
日本人には少なく欧米の男性におおいいことから肉や脂肪分などが多く含まれる食品の摂取が原因と考えられますが、日本の食事も欧米風になってきていることから日本の男性にも増えています。
前立腺がんは、2004年は胃がん、肺がん、結腸がんに次位で多くがん患者数の4番目でした。
2025年には、胃がんを抜いて男性がん患者の第1位になると予想されています。
前立腺癌の検査に有効なPSA検査
前立腺ガンの発見には、PSA検査が有効です。
PSAは、「前立腺特異抗原(prostate specific antigen)の略語です。
PSAは、前立腺の上皮細胞から精液中に分泌されるたんぱく質の一種です。
PSAの一部が血液中に取り込まれるのでこの量を測定します。
健康な人のPSA値は2ng/mlぐらいで年齢とともに上昇し50歳で4ng/ml以下が標準値と言われています。
4ng/mlを越えたらがんの可能性があります。
PSA値は、前立腺肥大症や前立腺炎などでも高くなります。
PSA値が高い場合は、精密検査が必要です。
米国では、PSA検査が普及し、前立腺がんの患者数や死亡数が減少傾向にあります。
米国でのPSA検査受診率は75%ですが、日本では10〜30%ぐらいです。
日本でもPSA検査の普及が望まれます。
日本では、健康保険の検査項目に入っていないのでPSA検査は有料になります(検査項目に入り無料の保険組合もあります)。
PSA検査費用は、2,000円ぐらいなので40歳を超えた男性は検査を受けてください。
治療
前立腺がんは、転移がない場合は手術でがんを削除したり、放射線治療が行われます。
既に転移している場合は,ホルモン療法が行われます。
前立腺がんは、早期に見つかった場合は、治療の選択肢も多く、適切に治療すれば治る可能性が高いがんと言われています。
早期発見には、PSA検査が効果的なので健康検査の際には検査してもらってください。
2015年02月03日(火)