2016年5月11日の記事で、「【スイス最低生活保障】年金や失業手当を廃止」をレポートしました。

6月5日、国民投票が行われて否決が確実になったとのことです。

 

最低生活保障(ベーシック・インカム)

最低生活保障(ベーシック・インカム)は、国がすべての国民に最低水準の生活を営むためにお金を支給する制度です。

日本では、憲法25条で生存権保障をしていますが、保証されるのは生存権が脅かされたときに最低生活を保証「生活保護」し、誰にでも最低生活保障を行うわけではありません(困窮した時に保証する制度です)。

 

資本主義国ですべての国民を対象に最低生活保障を行った国はありませんが、欧州(オランダやフィンランド)やカナダで実験の準備が進められているそうです。

スイスの案ではすべての国民(外国人住民を対象にするかは曖昧になっているとことです)に最低生活保障としていかが支給されます。

 

  •  大人で2500スイス・フラン(約27万6千500円)
  •  子供で625スイス・フラン(約6万9千100円)

 

賛成派の主張

最低生活保障(ベーシック・インカム)について賛成派は、以下の主張をしています。

 

  •  失業や貧困対策に有効
  •  社会保障の一本化で行政が効率化
  •  この提示額では豊かに暮らせる水準でないので勤労意欲の低下につながらない
  •  誰もが生活の心配なしに事故実現に挑める
  •  仕事を選びやすくなりより生産的で創造的な労働に従事できるなど

 

反対派の主張

反対派は、以下の主張をしています。

 

  •  年金や失業手当をあてても財源が不足
  •  ばらまき政策で勤労意欲が低下
  •  年金生活者の収入が減るケースがあるなど

 

日本での状況

日本では憲法25条で生存権保障をしていますが、すべての国民にお金を支給する考えを持つ人はスイスより少ないようです。

しかし、以下のような状況もあり対策の一つとして議論があっても良いと思います。

 

  •  国民の4割が高齢者(平成72年)になり困窮する高齢者も急増
  •  ブラック企業や賃金の安い職場が多く豊かな生活が送れない若年層の増加
  •  国を支える中級層の急激な減少など