サラリーマンの方は、厚生年金基金に加入している方も多いと思います。低金利・デフレの時代、財政悪化で解散を迫られている年金基金(主に中小)が数多くあります。基金の財政悪化は、2012年、AIJ投資顧問による年金消失事件により広く知られるようになりました。

厚生年金基金

日本の年金制度は、老齢基礎年金(国民年金)と厚生年金や共済年金(報酬比例部分)から構成されています。

厚生年金基金は、厚生年金保険料の一部を基金として運営し厚生年金に上乗せして給付を行います。年金額が確定(確定給付年金)しているので加入者には有利な制度ですが、積み立て不足が発生しやすく財政に苦しい基金が増えています。

最近は、事業主側に新たな負担のない確定拠出型年金に移りつつあります。確定拠出型年金は加入者(企業の従業員)が運用責任を負います。運用益により年金の給付額は増えることもありますが減ることもあります。

一般的には、加入者に取って、確定給付型年金が有利と言われています(予定金利が高いので)。事業主は年金の給付額に責任を負わないので不足分の負担がなくなります。厚労省の著差では、600ぐらいある基金のうち、1/3に当たる195基金が解散を検討していると回答があったそうです。

保険会社の役割

東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、損保ジャパンDC証券は、中小企業向けの確定拠出型の年金プランを年内にも始める計画です。

日本生命や第一生命保険は、新しい確定給付年金プランの運用を始めます。最低1.25%の予定利率を保障するので事業者側の追加負担は発生しにくいと思われています。従来の予定利率よりは、低く設定されていますが、給付額が保障されるので加入者にとってもメリットがあります。

もともと基金は、信託銀行が運営事務を受託していました。今後、生命保険会社や損保会社の年金プランが増えて行くようです。