公的年金

公的年金は、以下の2種類あります。

  • 自営業者の加入する国民年金(第1号被保険者、第2号被保険者の被扶養者配偶者の第3号被保険者)
  • 会社員や公務員の加入する厚生年金(第2号被保険者)

 

以前は、公務員が加入する共済年金がありましたが、平成27年10月に厚生年金に統合化されました。
20歳になると60際まで誰もが国民年金に加入します(年金受給は原則65歳からです)。

国民年金(厚生年金も)には、病気やケガで障害が続くと年金が支給される障害年金があります。
大学生で収入がないので加入しなくても良いと考えている方もいるかも知れませんが、加入していないともしものとき(障害が残ると)障害年金を受給できません。
学生で、年間収入が118万円(扶養親族が居ない場合)より少ない場合、学生納付特例制度で保険料を納めなくても国民年金に加入できます(年金額は増えません)。
学生とは、以下に在学する方で夜間・定時制や通信課程の学生も対象です。

  • 大学(大学院)・短期大学
  • 高等学校・高等専門学校
  • 特別支援学校・専修学校・修業年限が1年以上の各種学校
  • 一部の海外大学の日本分校

 

保険料

保健料は、年々増額して来ましたが平成29年で上限になりました。

  • 国民年金

国民年金は、収入に関係なく月額1万6900円ですが、改定率がかけけられるので多少変わります。

平成29年の改定率は0.975なので、保健料は月額16,490円です。
保険料は、加入者本人が納付します(学生や収入が少ない場合は免除制度があります)。

 

  • 厚生年金

厚生年金は、給与と賞与に保険料率をかけた金額を会社と半額ずつ折半して納付(給与から天引き)します。
保険料率は、平成29年9月から上限の18.3%(加入者本人負担は9.15%)になりました。

 

年金額

年金は、通常65歳から受給しますが以下の2つの方法も選べます。

  • 60歳からの繰り上げ受給(65歳受給に比べ5年間繰上げで30%減)
  • 70歳からの繰り下げ受給(65歳受給に比べ5年間繰り下げで42%増)

 

長寿時代なので、できれば70歳から受給すると毎年の年金額が42%アップします。

 

□ 国民年金

平成29年4月からの年金額(高齢基礎年金)は、20歳から60歳まで保険料を支払い続けた場合(満額)は77万9300円(月額では約6万5000円)です。

 

□ 厚生年金

厚生年金は、以下の2つの年金額を合算して受給します。

  • 老齢基礎年金(国民年金の老齢基礎年金と同じ)
  • 老齢厚生年金(収入により支払う保険料によりかわります)

 

厚生年金は、上記2つの年金額を合算して支給されるので2階建と言われます。

年金額の目安

年金受給額(月額)の目安は、以下になります。

  • 国民年金の満額受給額は約6万5000円
  • 厚生年金加入者と専業主婦の高齢夫婦世帯(モデル)の平均月額受給額は約22万円
  • このケースで夫は約15万5000円、配偶者は約6万5000円(満額)
  • 実際には18万円程度が多く、平均は16万6000円(モデルより少し多め)

 

マクロ経済スライド

公的年金の破綻を懸念する方もいると思いますが、保険料の積立残高と保険料を納める人がいる限り破綻することは考えられません。

マクロ経済スライドが導入される2004年以前は、物価スライド制なのでインフレに強い制度でした。

マクロ経済スライドは、賃金や物価による本来の改定率から一定の調整率を差し引いて年金額を抑えるしくみです。
調整率を一部しか適用されない特例がありましたが、平成18年4月からは調整できなかった分を本来の改定率が高いときにまとめて適用されるようになり、平成21年4月からは賃金が物価より下落した場合、賃金に連動させて年金額を減らすしくみが導入され、実質的に目減りの時代を迎えています。

将来の年金受給額は現在より抑えられる状況ですが、以下に示す有利な老後資金作りといえます。

  • 老齢基礎年金は保険料と税金の折半(受給額の半分は税金分)
  • 公的年金は減額の可能性がありますが、終身年金で長寿時代の老後資金作りに有利