海外旅行で病気やケガをして現地の医療機関で治療を受けると数百万円から数千万円かかることが知られていて、海外旅行保険に加入して日本から海外旅行に出かけます。
2017年1月に上野駅で倒れたタイ人訪日旅行客の治療費が1800万円と報じられ、訪日旅行客の旅行保険が注目されました。

 

2016年の訪日観光客は過去最高

観光局(JNTO)の資料によれば、2016年の訪日旅行客は21.8%伸びの過去最高の2,403万9千人になり、JNTOが統計を取り始めた1964年以降最多の旅行者数になったとのことです。
これに対して出国した日本人数は、5.6%増の1,700万1千人で人数及び伸び率ともに訪日外国人旅行客が増えています。

 

タイ人訪日旅行客の高額治療費の例

日本では公的医療保険があり、その中の高額医療費制度は、所得により月額の自己負担額が24,600円から最高でも140,100円に収まります(高額の差額ベット費や先進医療費は全額自己負担になることがあり高額になるケースもあります)。

この高額医療費のケースはタイ人女性旅行客(28歳)が上野駅で倒れ、たまたま通りかかった消防士が救命処理を行い、東京医科歯科大学付属病院で治療を受けました。
全身の臓器に十分な血液を送れない「虚血性心不全」と不整脈が続く「心室頻拍」を併発していたとのことです。
人工心肺装置で生命維持をしながら約10日間で5回の手術や治療を行い、2月中旬に意識を取り戻し、回復に向かったとのことです。

この治療費が約1800万円で旅行保険に入っていなかったので、タイ国内の募金で約150万円、在日タイ大使館が800万円を立替えたことですが、約半分の医療費が残ったままです。

訪日旅行客の3割は旅行保険に加入しないで入国しているとのことですが、在日タイ大使館では、タイ人旅行客の保険加入率は1割程度とみられているそうです。

 

日本で加入できる訪日旅行客向けの海外旅行保険

以下の保険会社が、訪日旅行者向けの「訪日旅行保険」を発売しています。

  •  損保ジャパン日本興亜「訪日旅行保険」
  •  東京海上日動「訪日外国人向け海外旅行保険」
  •  三井住友海上「インバウンド事業者向け海外旅行保険など

 

東京海上日動「訪日外国人向け海外旅行保険」の例

東京海上日動「訪日外国人向け海外旅行保険」を例に取り上げ紹介します。

この保険は、訪日外国人旅行者が、日本国内での病気やケガの治療費用や患者・遺体の本国等への移送費用等を最高1000万円までを補償します。

 

□ 保険料

保険料は、日数により変わります。

日数保険料
2日1,160円
3日1,540円
4日1,860円
5日2,190円
6日2,520円
7日2,820円
11日3,870円
14日4,640円
21日6,160円
23日6,680円

 

今回紹介したタイ人訪日旅行客の高額治療費の例では治療費が約1800万円なので、最高補償額1000万円では不足します。
病気やケガの治療費や損害賠償費用を保険でまかない、安心した訪日旅行が望まれます。

 

□ 付帯サービス

この保険に加入すると以下の付帯サービスがついています。

  •  医療機関の紹介や手配などをするアシスタントサービス
  •  緊急連絡・無線WiFi・翻訳を行うアプリケーションサービス
  •  パスポート・クレジットカードの紛失・盗難時などをサポートするトラベルピロテクト