金融庁は、保険料収入の運用利回り(予定利率)の目安となる「標準利率」を2017年4月から引き下げます。

  •  今までは、1.00%
  •  4月からは、0.25%

標準利率の引き下げは4年ぶりで、生命保険会社は保険料の改定を予定しています。
運用利回り(予定利率)を標準利率の1.00%から0.25%下げに対応させると保険料が10%以上高くなりそうです。
生命保険会社は予定利率を金融庁の標準利回りの下げにそのまま合わせるのではなく、各社の努力で吸収しますが、個人年金保険などの貯蓄性の保険の保険料のアップは避けられないようです。

 

日本生命の予定利率改定の例

日本生命は、市中金利動向や標準利率の下げなどから個人保険や個人年金保険の予定利率を2017年4月2日以降の新規の契約から改定するとしています。

  •  学資保険・こども保険は現行の1.355%から0.85%に0.50%下げ
  •  年金保険・長寿生存保険の払込期間20年以下では1.35%から0.85%に0.50%下げ
  •  払込期間20年超えの場合は1.15%から0.85%に0.30%下げ

この予定利率の引き下げにより保険料は、平均で2〜4%値上げになります(予定利率が下がると同じ保障の保険の保険料は運用収益が下がるのでその分値上げになります)。
30歳男性で、60歳から年60万円の年金を10年間受取るケースでは、月額保険料1万5、000円程度が約500円値上がりし1万5,500円になる予定です。
この値上げは、4月から新規に契約する場合の保険料で、すでに契約している保険の保険料の変更はありません。

マイナス金利の時代、金利の上昇は見込みにくいところですが、世界の経済動向(日本より金利の高い国がほとんど)により変わります。
金利が大きく上がるようであれば、保険の見直し時期と考えて下さい。

 

老後資金の目安

日本FP協会が20歳以上の男女を対象に実施した「老後とお金に関する調査」よると老後の不安が見られます。
老後の生活資金について“不安に思う”、“どちらかと言えば不安に思う”の回答が以下になっています。

  •  全体平均では81.3%
  •  20代では80。0%
  •  40代では91.0%
  •  60代では76.5%
  •  70代以上では68.5%

高齢が身近に近づく40代で最も高く、高齢の70代では少し少なくなっています。
今後の高齢を心配する人たちと実際に生活している高齢者の違いが見えるようです。

 

夫婦の老後の生活資金について “月額どのくらい必要と考えているか”の回答は以下になっています。

  •  全体平均では242,370円
  •  20代では226,200円
  •  40代では237,700円
  •  60代では243,820円
  •  70代以上では267,050円

高齢世代を70歳以上と見ると26万円ぐらいが実際にかかっている生活費用で、若い世代の人たちは少し低目に考えているようです。

 

生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」を見ると以下になっています。

  •  老後の最低日常生活費は月額で平均22.0万円
  •  ゆとりある老後生活費は月額で平均34.9万円

 

公的年金の受給月額は、大まかに以下になっています。

  •  厚生年金受給額は約15万円
  •  国民年金受給額は約5万5,000円

夫婦ともに厚生年金(共済年金)加入者であれば、ほぼ年金で生活できるようです(女性も男性並みの収入と加入期間の場合です)。
このケースは夫婦とも公務員のようなケースで多くないと思われますので、年金に加えて老後資金の準備が必要になります。

  •  健康への備えに公的健康保険と医療保険
  •  老後資金作りに個人年金保険や終身生命保険などの貯蓄型保険
  •  最近注目されている確定拠出年金iDeCo