前の記事【国民健康保険料】2018年4月から保険料が変わりますの中で、国民健康保険の保険料は市町村単位でしたが、2018年4月から都道府県に統一され同じ保険料になるので保険料が高くなる市町村(主に郊外)と安くなる市町村(東京であれば都心の区部)があると紹介しました。

 

しかし、2018年4月から国民健康保険の運営主体が市町村から都道府県に移りますが、保険料の統一は未定のところが多いようです。

 

 

現状の保険料の決め方

 

地域(市町村)によって、加入者の所得や年齢、医療費が違い同じ都道府県の市町村でも保険料は違っていました。
東京都を例にとると都心の区部で高く、郊外の市町村が安いのが一般的でした。

例えば、東京を例にとると以下になります。

  •  都心の千代田区は133,622円
  •  伊豆7島の三宅村では40,705円

千代田区は、三宅村の3.3倍になります。

 

 

都道府県で保険料を統一する状況

 

国民健康保険の保険料の統一について日本経済新聞の調査によると以下のようになっているとのことです。

 

□ 保険料の統一を具体的に検討している都道府県

保険料の統一を具体的に検討しているのは、宮城、山梨、富山、静岡、滋賀、大阪、奈良、広島、佐賀の9府県です。

 

□ 現段階で具体的に検討していない都道府県

現段階で具体的に検討していないのは、以下の31都道府県です。

  •  青森、秋田、山形、岩手、福島の東北5県
  •  茨城、栃木、群馬、東京、神奈川、埼玉、千葉の関東7都県
  •  新潟、長野、福井、愛知の甲信越・東海の4県
  •  三重、京都、兵庫、和歌山の近畿の4府県
  •  岡山、鳥取、島根の北陸・中国の3県
  •  高知、香川、愛媛、徳島の四国4県
  •  福岡、熊本、長崎、沖縄の九州・沖縄の4県

 

□ 未定の都道府県

現段階で未定なのは、北海道、石川、岐阜、山口、大分、宮崎、鹿児島の7道県

 

 

保険料の例

 

東京都の新宿区と三鷹市を例にとり2017年(平成29年)の国民健康保険料を計算してみます。
以下の4人家族モデルで計算します。

  •  夫42歳で前年度給与収入500万円
  •  妻38歳専業主婦で所得なし
  •  子供二人で所得なし

 

保険料は、以下の合計になります。

  •  医療分(所得割と均等割)
  •  後期高齢者支援金分(所得割と均等割)
  •  40歳以上の介護保険料(所得割と均等割)

 

均等割は、収入に関係なく子供から大人まで同一の金額です(市町村で変わります)。
所得割は、収入に応じて金額が変わります。
対象は収入金額でなく、必要経費(個人事業主など)や給与所得控除(会社員など)などを差し引いた額になります。
給与を得ている方の所得割の額は、前年度収入から給与所得控除(個人事業主などは必要経費)を差し引いた額から基礎控除33万円を引いた額が対象になります。
前年度収入500万のモデル家庭では夫の所得割対象額は、313万円になります。

 

□ 三鷹市

このモデルでの保険料は、下記の合計で年額387、400円になります(100円未満切り捨て)。

  •  医療分の均等割は25,000円の4人分で100,000円
  •  医療分の所得割は3,130,000円の4.7%で147,110円
  •  支援分の均等割は8,500円の4人分で34,000円
  •  支援分の所得割は3,130,000円の1.6%で50,080円
  •  介護保険の均等割は12,500円の1人分で12,500円
  •  介護保険の所得割は3,130,000円の1.4%で43,820円

 

新宿区

このモデルでの保険料は、下記の合計で年額554、300円になります(100円未満切り捨て)。

  •  医療分の均等割は38,400円の4人分で153,600円
  •  医療分の所得割は3,130,000円の7.47%で233,811円
  •  支援分の均等割は11,100円の4人分で44,400円
  •  支援分の所得割は3,130,000円の1.96%で61,348円
  •  介護保険の均等割は15,600円の1人分で15,600円
  •  介護保険の所得割は3,130,000円の1.46%で45,698円

 

年間給与500万円の方は、社会保険に加入し国民健康保険に加入するのは少ないと思いますので、自分の確定申告書の所得金額の合計額で計算してください。
同じモデルでも新宿区と三鷹市の保険料の差は、166,900円にもなり住んでいる市町村で大きく違います。

企業社員の加入する健康保険の保険料は、労使折半であることと扶養家族の保険料は無料なので国民健康保険よりはかなり安くなります(計算方式が異なるので単純に2分の1にはなりません)。

小・中学生の治療費の自己負担分を無料にしている市町村は多いいのですが、国民健康保険の保険料は子供にもかかり負担は重くなります。