熊本での建物の被害

熊本地震で見られたように活断層の近くで被害が集中しています。

震度6強〜震度7(熊本地震で発生した震度で最上位震度)でも倒壊しない1981年以降(新耐震基準)に建てられた建物も崩壊しています。

 

建物被害には、以下が関連しています。

 

  •  耐震基準:新と旧があり1881年以降の新耐震基準適合が必要
  •  活断層
  •  地盤

 

これから建物を建てる場合は、新耐震基準で建てられるので耐震基準はクリアされます。

活断層と地盤についても調べてみることを推奨します。

 

活断層

地面を掘り下げていくと硬い岩の層があります。

この層にはたくさんの割れ目(断層)があり力が働くとこの割れ目(断層)がずれます。

断層の内、数十万年前から繰返し活動(ずれ)し、将来も活動すると考えられる断層が「活断層」です。

現在、日本で2000以上の活断層が見つかっています。

関東の活断層を見ると郊外に多いのですが、これは中心街(23区)には活断層がないのではなく、建物が密集して調査できないことが大きようですので安心はできません。

 

中央構造線

茨城県大洗近辺から関東、西日本を通り熊本・鹿児島に通じる大断層系です。

熊本地震も中央断層線の近辺で発生しました。

関東では、群馬県下仁田から比企丘陵にかけて露出しています。

 

関東の活断層

関東の大きな活断層(一部)と予想される地震データ(予想地震規模と30年以内に地震の起きる確率。目安と考えて下さい)を以下に示します(予想地震規模はマグニチュード)。

 

活断層予想地震規模(M)地震の起きる確率
関東平野北西縁断層帯M8.0程度0.008%以下
立川断層帯M7.4程度0.5〜2%
神縄・国府津—松田断層帯M7.5程度0.2〜16%
三浦半島断層帯M6.6以上6から11%

 

関東に限らずどの地域でも産総研の活断層データベースで見ることができます。

マグニチュードと震度

地震が発生するとマグニチュードと震度が発表されます。

似た数値なので間違いやすのですが、以下のように全く別の数値です。

 

  •  マグニチュードは地震の大きさを示す1〜8までの数値(大きい数値が大きな地震)
  •  震度はその地域での揺れの大きさを示す0〜7までの10区分(震度5と6に強弱がある)

 

熊本地震は、マグニチュード7.3で震度7の地震です。

遠くで発生した地震は、マグニチュードは大きくても震度は小さく、近くで発生するとマグニチュードは小さくても震度は大きくなります。

被害の大きさは、マグニチュードでなく震度で分かります。