確定拠出年金は老後資金作りに有利な制度でしたが、以下の方は加入できませんでした。

 

  •  国民年金第3号被保険者(専業主婦)
  •  公務員

 

すべての現役世代(20〜60歳未満の公的年金加入者)に広げる「改正確定拠出年金法」が2016年5月24日に成立し、2017年1月から加入できるようになります。

この改定で20〜60歳未満のすべての公的年金加入者は、確定拠出年金に加入できるようになります。

 

確定給付年金(DC年金)

加入者が掛金を拠出(払込)し、その掛金を運用する金融商品を指定して運用益により老後に支給される年金額が変わる年金制度です。

掛金が決まっていて年金額は運用により変動する年金なので確定拠出年金という名前です(掛金が確定しているという意味です)。

加入者の指定した金融商品の運用益で年金支給額が変わる(年金額は加入者個人の責任)ので、加入者は有利(利率が高くリスクの少ない)な金融商品を選ぶ必要があります(契約した金融機関にほっておかないようにして下さい)。

米国の制度を参考にして作られた制度なので「日本版401k」とも言われます。

 

確定給付年金には以下の2種類があります。

 

  •  会社単位で加入する企業型(現在の加入者は約500万人)
  •  個人で加入する個人型(現在の加入者は約21万人)

 

今回の法律改定で加入できるようになる人は、個人型に加入することになります。

 

確定給付年金のメリット

確定給付年金には、以下のメリットがありリスクの少ない財産形成に最も有利な制度と言われます。

 

  •  掛金は全額所得控除
  •  運用益は非課税(20%が0%になります)
  •  離職・転職しても持ち歩ける
  •  受け取る年金には公的年金と同じ控除対象(税率が少ない)

 

小額投資非課税制度(NISA)は120万円までは運用益に税金がかかりませんが、確定給付年金は税制上NISAよりも有利な制度です。

加入者が死亡すると遺族に死亡一時金が支給されます(年金としては受け取れません)

 

確定給付年金のデメリット

確定給付年金は、財産形成に有利な制度ですが、以下のデメリット(注意点)があります。

 

  •  加入できるのは20〜60歳
  •  掛金には上限がある(個人事業者等は国民年金基金とあわせて月額68,000円)
  •  年金として受け取れるのは60歳以上
  •  60歳まで途中解約(引き出し)は原則不可(脱退一時金がありますが制約があります)

 

確定給付年金

確定拠出年金と似た用語に確定給付年金(国民年金、厚生年金、共済年金、企業年金など)があります。

 

  •  確定拠出は掛金額が確定
  •  確定給付は年金額が確定(名目年金額が確定、物価スライドで実質年金額は変わることがあります)

 

利率が下がっている近年では確定給付年金が有利ですが、将来的には利率の変動などにより確定拠出年金が確定給付年金より有利になる可能性もあります(リスクの少ない財産形成法としては最も有利です)。