スイスは、2016年6月5日、「生活保障(ベーシック・インカム)」の導入の国民投票が行われます。

日本では、憲法25条「生存権保障」が規定されていますが困窮する国民に最低生活を保障する「生活保護」が行われています。

スイスの生活保障は、年金や失業手当などを廃止し、すべての住民に毎月一定額を支給する内容です。

 

スイスの最低生活保障案

提案される最低生活保障案は、すべての住民(子供も含む)毎月一定額を無条件で支給します。

可決された場合の支給額は、法律で決められることになりますが提案者の案では、以下になります。

 

  •  大人で2500スイス・フラン(約28万円/月)
  •  子供で625スイス・フラン(約7万円/月)

 

政府や経済界は反対、労働組合は現在の社会保障給付額よりも低いと反発しているそうです。

スイスの社会保障は手厚いようです(現時点で1スイス・フランは111.74円)。

現在25%いる外国人も最低生活保障の対象にするかはあいまいのようですがスイス国民に限定すると差別になる恐れがあり紛糾しそうです。

 

日本から見るとヨーロッパに移民が押し寄せている時代に実現は難しいと考えられますが、不足する費用として年間250億フラン(約3兆円)と政府は主張していますので、スイス国民向けであれば不可能な案とは言えないようです。

 

最低生活保障のメリット

不足するお金をどうするかを考えなければ、最低生活保障には以下のメリットがあります。

 

  •  年金や生活保護等の社会保障の費用も充当でき簡素化される
  •  行政の簡素化も測られる
  •  生活不安がなくなるのでお金を使うようになり経済が好転する
  •  生活困窮者がいなくなりすべての国民が安定した生活を送れるようになる

 

ヨーロッッパでは、一部都市ですが実験や調査の機運が高まっているとのことで関心は高いようです。

スイスでは、2014年、最低時給22スイス・フラン(約2500円)の国民投票が行われましたがこの時は否決されました。

スイスの人口は、750万人です。

日本の人口は、1億2千万人で人口の多い分資金が必要で議論にも上らないようですが、自己責任だけでは今の少子高齢社会を乗り切れないのではと思えます。